• 川上ーショットン ゆり

デヴィッド メラー社のカトラリー


デヴィッド メラーとは。



大英帝国勲章保持者、英国デザイナー公認協会認定、そして産業用ロイヤルデザイナー。

英国でも一番よく知られるデザイナーの一人で、金属加工、特にカトラリーが専門分野であったが(カトラリーの王様と呼ばれた事も)他にも信号機やバス停シェルター等の多岐にわたる様々なデザインをこなした。

サー テレンス コンランが

「英国における戦後の最も偉大なプロダクトデザイナー」

と評した。

生い立ちから青年期の学び

1930年 鉄鋼の町シェフィールドにて鉄鋼のメーカーにてツールメーカーをしている父の元に生まれる。

シェフィールドのアートカレッジ時代から頭角を現し、ロンドンのロイヤル カレッジ オブ アートに進み、その後、イタリアへ渡り、ローマのブリティッシュ スクール アット ローマにて学ぶ。

ロンドンのロイヤルカレッジオブアート在籍中にデザインしたカトラリーのライン「プライド」は現在でもそのまま製作されています。

銀細工職人として

数年を経てシェフィールドに戻ったデヴィッドは銀細工職人として特に特注を受けた物を製作するワークショップスタジオを開きます。

彼は1960年にイギリスで起こった銀細工のルネッサンスの中心人物となり、特中で注文を受けて製作する他にも新しい大学や教会等をデザインしました。

彼の一番重要な仕事は、英国大使館の食卓で使用されるモダンな銀器等の製作でした。これらのモダンなデザインはイギリスが最新技術に向かっているというイメージを与えるためでした。

産業デザイナーとして

銀細工職人として働きながらも、デヴィッドはステンレス鋼の可能性に刺激され、1963年にはダービシャーのボルスオーヴァーに有ったウォーカーアンンドホール社(後にマッピンアンドウェッブ社に吸収)にて英国で初めて大量生産されたステンレス鋼製のカトラリーをデザインします。

そして英国政府からも官公庁の食堂、病院、刑務所、そして鉄道で使用するカトラリーのデザインを受けます。


この他にもデヴィッドは街灯やバス停のシェルター、そして公共の場所に設置するゴミ箱等のデザイン依頼を受けますが、それらの仕事が後には環境庁からの信号機のデザイン発注へと繋がります。

ここに並ぶポストや信号機はすべて彼のデザイン。

そしてデヴィッドがデザインした信号機は現在でもそのまま使われているのです。

工場生産へ

1973年、デヴィッドは自分のカトラリーデザインを工場生産する事を決めます。 彼が最初に工場用地として選んだのは、シェフィールドの中心にある大きな歴史的建造物のブルームホールでした。

15世紀に建てられ、貴族の館として栄華を誇った事もあったブルームホールでしたが、18世紀には放火され、1973年当時は廃墟同然だったようです。

デヴィッドはそのブルームホールを改修して自宅と工場にしました。

それは後に欧州建築遺産賞(European Architectural Heritage Award)を受賞するほどの改修工事でした。

デヴィッドは新しいコンセプトをカトラリー製作に導入するとともに、伝統的な製作の手法も考え直しました。

当時のシェフィールドのカトラリー工場の働き手は主に流れ作業中の一つの工程しか担当していませんでしたが、デヴィッドはその働き手にも一つ一つのカトラリーを完成させる事に参加する事で仕事への充実感を持ってもらう為、すべての工程を順にこなしていくやり方に変えました。

そして1990年、デヴィッドはピークディストリクトのハサセッジにて売りに出されていたガス会社の跡地を見つけます。


そこを買い取って友人のサー マイケル ホプキンス(新丸の内ビルディングを設計した世界的な建築家)にデザインを依頼して完成したのが現在の工場とショップ、そしてミュージアム付きのカフェです。

このラウンドハウスと呼ばれる工場のデザインは数々の建築デザイン賞と環境の賞を受賞しました。

シェフィールドの鉄鋼産業は安価な輸入品の到来による価格競争で危機を迎えましたが、デヴィッドの目指した少数ながらも高レベルのデザイナーカトラリー市場を作る事は賢かったと言えます。

その商品販売

デヴィッド メラー最初の旗艦店は1969年、スローンスクエアに出店しました。そして瞬く間に国際的に名を馳せます。


その後はジェームス ストリート、コヴェントガーデン、キングストリートと続き、さらにマンチェスター、そしてロンドンのバーモンジーのシャド テムズ、バトラーズワーフにも出店します。

ハサセッジのファクトリー横にあるショップはカントリーショップとしてオープンしました。

その品揃えはデヴィッドのデザインしたカトラリーだけに限らず、様々なキッチン用品が取り揃えてあります。


デザイナーのショップらしい美しい店内


日本でも人気の北欧製品、イッタラ社のグラス等もあります。


スイスアーミーナイフで有名なヴィクトリノックス社のピーラーも。

思わず購入しましたが、さすが、切れ味抜群です。


カントリーショップ横には彼のデザインした信号機が真ん中にどーんと置かれたカフェが。

ガラスケースに入っているのは、メラー氏の銀器です。


外から見た様子。わびさびっぽくて素敵です。

デヴィッドは2005年にデザイナーをリタイアした後、2009年にこの世を去りました。


そして現在のオーナーさんは息子さんのコリンさんです。

なかなかなハンサムさんで、普通に工場に居ます。

彼はインテリアデザイナーで、カフェ内のデザインは彼の手によるものです。


こちらのスツールも彼の作品。

なんと無く、日本に通じるシンプルさを感じるデヴィッドとコリンのメラー親子です。

そんな彼らのショップと工場に訪れてみませんか。

住所

DAVID MELLOR DESIGN LTD

THE ROUND BUILDING, HATHERSAGE, SHEFFIELD, S32 1BA

電話番号 01433 650220

ファクトリーツアー申し込みは英語のみ、2週間前までに申し込みが必要です。

土曜日は職人さんが一切いない空っぽのファクトリー見学だけ可能です。

こちらに行きたくても、なかなか公共交通機関を使ってまでは行けないなあと思う方。

当社にてコーディネートしていますので、お気軽にいつでもお問い合わせください。

なお、ファクトリーツアーの申し込み等も当社のコーディネート料金に組み込まれています。

デヴィッド メラーと合わせやすい訪問先は

日帰りの際

・ジョン スメドレー社

・カッスルトン

・イーム村

一泊以上ですと上記の場所に加えて

・ハドンホール(1月から春まで閉鎖)

・チャッツワース(1月から春まで閉鎖)

・ベイクウェル

・ストークオントレント

・ライムハウス、ケドルストンホール等のピークディストリクト内のナショナルトラスト施設

と合わせて、いかがですか?


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